■撥水加工と防水加工



■防水加工
防水加工とは、『水滴を通さない。』『水を浸透させない。』ことを目的に布地の裏側に施された加工のことをいいます。布地に施す加工としては、布地に直接コーティング(塗布)するものと、特殊防水フィルムをラミネート(接着)するものがあります。
布地にコーティング(塗布)する物としては、テントのフライシートや、ザック(リュックサック)などの布地の裏面に加工されているもので、水も通しませんが通気性もありません。
布地に特殊なフィルムをラミネート(接着)しているものとしては、ゴアテックス、ダーミダックスのように通気性はあるけど水滴は通さない特殊なフィルムを布地の内側にラミネートしている物があります。レインウエアーなどに使われている防水透湿素材とよばれる素材の多くが、このラミネートタイプの防水素材を使っています。
両方とも防水加工はハードで、コーティングやラミネートを剥がすか、穴をあけるようなことがない限り防水効果は持続します。

■撥水加工
撥水加工とは、『水を弾く加工。』のことをいいます。布地の表面に施される加工で、車でいうと『ワックス』の役割と似ています。水を弾く、水滴にすることで、布地が濡れても水滴は簡単に流れ落ちていきます。撥水加工は、磨耗や紫外線などの影響でその効果は低下していきます。撥水効果が低下した場合は、市販の撥水スプレーなどで簡単に蘇らせることはできます。


■防水加工と撥水加工の違い
防水加工と撥水加工は、お互い似ているように聞こえますが、その目的の違いだけは、理解しておいてください。また、ザックのようにコーティングタイプの防水生地を使用しているにもかかわらず、縫い目を防水処理されていないため濡れるとその縫い目から水が染み込む場合もあります。レインウエアーには、縫い目にシームテープとよばれる防水テープを使い防水処理しているため完全防水となっています。 また、通気性を必要とするテントの本体や、ツエルトなどは、あえて防水加工はせずに撥水加工のみにしているものもあります。水は弾いて、ある程度の水はポタポタと雫となって下に落ちていきますが、防水性はないためどしゃ降りや長時間濡れているとしだいに中に染み込みはじめます。使用目的が、完全に人を包み込むために、防水性よりも通気性を優先させているためです。そして、濡れることを防ぐためにフライシート(防水布地)を使用するのです。





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