■ザックのここがポイント!
  • ウエストベルト



■ザックのウエストベルトは何のため?!
登山用ザック(リュックサック)には、ウエストベルトが付いていますが、初心者の方はとくにその役割を理解されてていない方が多いように感じます。経験が豊富なベテランの方には、『そんなのあたりまえじゃぁーん』と思われるでしょうが、ここでひとつご説明させていただきます。

●ザックのウエストベルトの役割は、大きく3つあります。

  • 肩にかかる荷重を分散させる。

  • ザックは、その大きさにより荷物の重量を想定して作られています。荷物が重くなるほどウエストベルトでの荷重の割合が高くなるため、腰周辺で受け止められるように、太いベルトと、しっかりしたパッドが付いています。荷物を分散させるためには、装着する場所(ウエスト)が重要になります。ときどき『おへそ』の辺りでウエストベルトを締めている方を見かけますが、おへそのあたりでは、ベルトをしっかり締めると腹部が圧迫されるばかりか、荷重を支えることはできません。ザックのウエストベルトは、腰骨(お尻の少し上)のあたりに"どしっと乗せる"感じでベルトをしっかり締めることで安定します。腰と肩の荷重配分は、ショルダーベルトの調節で変わります。

  • 荷物が上下左右に振られるのを防ぐ。

  • ザックは、ある程度の荷物を入れて、ショルダーベルト(肩紐)だけで背負うと、歩く振動で荷物が上下に揺れてしまいます。また、岩場や木の枝などをよけるときに、上体を傾けたり斜めにすると、左右に振られてしまいます。とにかく荷物が背中に安定していなければ、それだけ重く感じるほか、歩きにくく、岩場などで左右に振られることでバランスを崩す危険もあります。ザックのウエストベルトは、荷物を背中に安定させる役割もあります。

  • 万が一転落したときに、背骨を守る。

  • 登山中に万が一転落したり転んだりしたときに、ザックのショルダーベルトのみで背負っていたら、簡単に肩からベルトが外れてザックはどこかに転がってしまいます。ウエストベルトをしっかり締めることで、万が一のときもザックが身体から離れず、荷物やザックがクッションとなり、岩などに激突しても守ってくれる可能性があります。大き目のザックの場合、後頭部も保護できるため、ダメージを受けにくくしてくれる役割もあるのです。そして、身動きが取れなくなってしまった時にザックがどこに無くなっているよりは、食料、雨具、水筒、ランプなどの装備品が手元にある方が助かります。


    しっかりパットの付いたウエストベルト


    ■デザイン重視?機能重視?
    ザックのウエストベルトは、そのモデルによっては、デザインは大変かっこいいのですが、ザックのサイズのわりにウエストベルトなど、厚いパッドが付いた少し大げさなモノもあります。しっかりウエストで締まることはよいのですが、ウエストベルトが、大きくパットが厚くなるとそれだけザックが、かさばってしまい、重量も重くなってしまいます。たとえば、30リットル以内のザックであれば、好みもありますので一概にはいえませんが、厚いパットの付いた大きいウエストベルトは必要ありません。また、背中のパッドの厚さなども同様です。ザックを選ぶときは、ザックの大きさとショルダー、ウエストベルトなどの作りもよく確認して選ぶようにしてください。

    ■ザック・ナップサックのTPO
    山では、不要な荷物を山小屋やテントに置いて、ナップサックやアタックザックに最小限の荷物を詰めて頂上を目指すことがあります。登山道もなだらかで、きれいな花畑を、お散歩気分で頂上まで歩ける山では、ナップサックなど開放感あり便利なモノですが、道中岩場や、ハシゴ、鎖場、ガレ場など転落する危険性のある場所を通過しなければならない場合は、しっかりウエストベルトの付いたザックで、気を引き締めて行動しなければならない場合もあります。ザック・ナップサックには、その状況に応じた使い分けが必要となるのです。







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