登山靴と山岳テント専門店 バックカントリー穂高


Jun.2009
6月30日 ()
東京で美容院を経営されているNさんご夫婦がご来店された。美容院は火曜日、水曜日がお休みなのだそうだ。Nさんの奥さんはいつもお元気で、お仕事がお休みの時には、奥多摩や高尾山を何十キロも走ったり、歩いたりされている。旦那さまは先生と呼ばれている。ぼくもそのほうが自然なので先生と呼ばせていただいている。奥さまはユキちゃん。今日はユキちゃんがトレランのリュックをお買い物に来られた。先生は、60リットルの大型リュックで、これからのテーマが、「山はテントでキャンプ」となった。Nさんご夫婦はまだ、キャンプのご経験がなく、いつも先人を切って走られるユキちゃんが「私、とりあえず、寝袋というモノが、どんなモノか、わからないので・・・。ニタッ。」ぼくのシュラフを貸せ。ということで、試すと言って、ぼくのシュラフを持っていった。お2人は、9月のBCスクール裏銀座縦走のご参加にあわせて、自分たちはテントで参加したいとのこと。1泊目の野口五郎岳には、キャンプサイトがないため、そこだけ山小屋を利用することは、ご了解いただき、お2人の2泊目双六、3泊目槍の肩はキャンプに変更した。


6月29日 ()
あさの光城山トレのあと、お店に移動して作戦会議。9月の倶楽部員募集の内容について、広報担当のゆうじんさんを中心に、朝トレに参加されたみなさんで、意見をだしあった。つづいて、次回の自然観察部の黒部五郎岳山行計画について地図を広げてルート確認をする。広報で副会長のゆうじんさんは、三股から蝶ヶ岳、常念岳、前常念を経て三股への日帰りトレイルアタックに燃えている。目標タイムは6時間だそうだ。はやければ、YAMAZOUさんと2人で、今週の金曜日にもアタックするらしい。ちなみに、YAMAZOUさんの目標タイムは4時間?





6月28日 ()
奈良からボコボコのランクルに乗って来られたお2人は、弊店でシリオの登山靴を購入され、先日、山に登ったところ、かかとに豆ができて靴擦れした。ということで、奈良からそのシリオを持って来られた。ぼくが確認してみると、どうもお使いのソックスが硬くそれが原因のようである。いろいろ試してみた結果、ソックスを変えて、靴紐の締め方を改善するだけで解決できそうである。登山靴の靴擦れの原因の多くが、靴事態の不具合ということより、靴紐の締め具合があまく、足が、靴の中で遊んでいるために起こることが多い。あとは、歩く時の歩幅も重要で、登山靴にはシャンクという芯が入っているため、ソールがバネのようになっていて、あまり曲がらない。それを大またで歩くと、どうしてもかかとが浮き上がり、靴と擦れて靴擦れをおこしてしまうのだ。

午後から、お店は、登山靴をお探しのお客さま、マムートのビーコンをご購入されたお客さまへ使い方のご説明、テント、大型ザック、シュラフなどのご説明、登山教室へご参加のご相談、GPSのご相談など、ぼくのしゃべくり中心のお客さまが途切れなく続いた。お店は一時的に大混雑したが、ぼくの口は一つしかないため、順番にお客様へ対応していた。不思議と、順番待ちのお客様も、あまりイライラしたご様子も無く、平和に閉店まで、ぼくは、お客様へご説明のため、しゃべくりまくった。

BC穂高が登山ショップとして、ここに存在する目的は
「大自然にある、夢と、冒険と、感動の世界へ、皆さまをご案内すること。」と、
「困っている人を助けること。」である。

テントをお探しで困っている人、登山靴をお探しで困っている人、GPSがほしいけど、決断できなくて困っている人、雪崩について不安で困っている人、登山のことでわからないことがあり困っている人、遠方から来られたけど忘れ物や、装備の不備があり困っている人などなど。

登山のこと、装備のことでお困りのお客さまを、助けることが、ぼくのお仕事なのだ。欲しいモノがあるけど、決断できなくてお困りのお客さまの肩をポンと押すことも、ぼくのお仕事である。今日もぼくは、沢山のお困りのお客さまを助けた。登山のこと、装備のこと、なんでもお困りの方は、弊店で解決させてください。



6月27日 ()
さあ、皆さまお待ちかねのガーミンオレゴン300のデモ機が入荷したよ。

待っていたのは、ぼくだけ? えっ、ほんと。

BC穂高に、GARMINの最新ハンディーGPSのOREGON300日本語版のデモ機がメーカーの代理店さんから送られてきた。このGPSは、ご来店のお客さまに、実際の画面表示や、タッチパネルの操作感を体験していただくためにセットアップする予定である。今のところ、OREGON300の初期設定のご依頼が2件控えているため、弊店のデモ機のセットアップは、順番待ち。

待ち遠しい~。 それも、ぼくだけ? みんな、どうかしてるよ。

そろそろ、GPSセットアップ専用パソコンがほしくなってきた。ノートがいいかな。


みんな、さわりに来てね。・・・CMおわり





6月26日 ()
昨夜の倶楽部のミーティングは、結局、養老の滝で、2時間30分の呑み放題で盛り上がった。呑んだわりには、今朝の目覚めはすっきりで、いつものように5時前に目が覚め、シャワーをあびて、何事も無かったかのように、お店に出勤した。いつものように開店準備を整え、エスプレッソマシーンでいつものおいしい珈琲を入れ、本を片手に、外のテラスで朝の読書を楽む。おかわりの珈琲をいれるとき、エスプレッソマシーンのコーヒー豆の残量が少なくなっていることに気が付いた。そういえば、今月は珈琲の消費が多くなったようだ。ぼくは、カウンターの棚に珈琲豆が入った5kg入りの袋を取りにいき、1袋分マシーンに補充した。今月は、なんと、珈琲豆を4袋消費した。おけいちゃんと先月から実施している「ご来店のお客さま全員に珈琲無料&おかわり自由キャンペーン。」の成果である。このまま消費していけば、珈琲豆の在庫増加に悩まされることは無くなる。がんばろ。


6月25日 ()
まだ、お休みボケから復活していない。ディズニーランドは楽しかったな~。などと、ボーともしていられない。GPSを通販でご注文いただいたお客様へ、メールでご案内したところ、2度も価格を間違えてご案内してしまい、、、ごめんなさい。





6月24日 ()
午前中から予定していた、しなの山楽会さまのセーフティーセミナー「安全に岩場を通過する・・・其の1」が、天気予報との調整で、午後から開催に変更した。 今日は、観音崎のヘリポートで、警察と北ア北部救助隊の合同訓練で、長野県警のヘリやまびこを使った実践訓練の日である。 訓練は、10時からで、セミナーは12時集合となったため、ノリちゃんとぼくは、少ない時間だけど、訓練に参加した。現在、北アルプスでの 山岳遭難救助は、長野県、岐阜県、富山県、新潟県とどの地区でも警察ヘリコプターまたは、防災ヘリコプターで救助するケースが主流になている。以前は、民間のヘリコプター会社も積極的にレスキュー活動に参加していたが、ある事故をきっかけにレスキュー活動から手を引いていった。今は、警察ヘリと救助隊の地上班が現場で活躍している。今日は、夏山に向けての訓練であり、ヘリコプターで人を吊り上げるという特殊な作業の安全確認として、各隊員は、真剣に訓練にあたっていた。

予報されていた雨は結局降らず、午後から、セミナーは無事に終了した。今回も「しなの山楽会」のみなさん、たいへんよくできました。







6月22日 ()~ 23日 ()
●ディズニーランド

昨夜、ユカのお姉ちゃん家族とうちの家族6人を乗せ、ハイエース号で長野を出発。日曜日の高速道路1000円を初めて利用してみた。ETCゲートを通過する時、なんだかワクワクする。早朝にディズニーランドホテルに到着。車をワゴン車用駐車場に入れ、あさの6時にチェックインをすませ、ロビーでパークの開園をまつ。開園20分前くらいに並び、9時にディズニーランドが開園した。

途中、少し雨にも降られたけど、1日楽しく過ごすことができた。今回も、ユカが前もって予約をし、ランチには、ウッディのホースショーを楽しみ、ディナーは、ミッキーのショーを楽しんだ。そして、茜空の希望を叶えるため、茜空を背負い、雨の中3時間ほどモンスターズインクのアトラクションに並んだ。茜空は、キッズキャリーに乗り、ぼくの背中で、バク睡。雨の中、この光景を第三者が見ると「子供がかわいそう。」に見えるだろう。とんでもない親である。しかし、実際は、主導権を握っているのは茜空であり、ぼくは、彼女の指示に従っているだけである。そして、無事にモンスターズインクのアトラクションを楽しみ、ぼくの任務は終了した。

今のぼくにとって、ディズニーリゾートというところは、家族と楽しむところであり、ぼくの考えを定期的に軌道修正するところかな。





6月21日 ()
昨夜から朝にかけてどしゃ降りの雨が降って、午後は、青空快晴となった。今日は、山に登る予定で、出鼻をくじかれ、出そびれた人がお店に押し寄せた。朝から、お客さまが途切れなくご来店された。ほどよく、忙しく、気が付くと夕方の5時。5時まで勤務のおけいちゃんが帰った後も、お客さまはつづいた。

明日、あさっての2日間、ぼくは、ゆかのお姉ちゃん家族と共に、ディズニーランドへ行ってきます。おけいちゃんがお留守番をします。珈琲でも飲みにお立ち寄りください。



6月20日 ()
モンベル東京の営業担当Oさんが、午前中打ち合わせに来られた。今回の打ち合わせは、弊店でも既存のモンベルクラブ会員様へのサービスが共有できるように、モンベルポスシステムを弊店に導入する計画についての確認事項である。これから、弊店にモンベル社とオンラインで繋がったポスレジが導入され、モンベルクラブポイントシステムが共有されるようになる。また、新規でモンベルクラブへご入会されるお客様へ、特別に製造されたバックカントリー&モンベルジョイントカードが発行される。これは、モンベル社でも今までに前例がないジョイントシステムの始まりである。弊店は第一店舗めとしての、試験的な試みとなる。両社の目的は、両社をご利用されるお客さまにどれだけメリットのあるサービスをご提供できるのか試すことだ。今後、システムを調整する作業があり、数ヵ月後には、スタートするだろう。

スタート後は、弊店でもモンベルクラブポイントシステムが共有となり、各イベントも共有される。弊店のイベントにもモンベルショップで申し込むことができ、当然弊店でも、モンベルアウトドアチャレンジへの参加申し込みができる。今後、資格を取ってモンベル山岳保険も弊店で加入できるといいだろう。このシステム共有が、今後、弊店とモンベル社との安曇野アウトドアワールド・マウンテンリゾート計画の理想に向けた第一歩となるだろう。

だからといって、両社の既存の会員さま情報は厳守される。
弊店は、モンベル社とサービスを共有することで、新たなパワーを手に入れます。BC穂高がめざすところは、夢と冒険と感動の大自然へ皆様をご案内(サポート)することです。




6月19日 ()
あさの光城山トレーニングは、週2日ペースで落ち着いてきた。まだ少ないけど、顔ぶれも、落ち着いてきた。早朝トレーニングは、気持ちよく、運動量もそこそこである。秋に、お店主催で、小さく楽しくトレランイベントを企画しようかなと考えている。


6月18日 ()
ぼくは最近、読書にはまっている。ぼくが読んでる本は、日本語に略されたアメリカ人が書いたストーリーで、山や登山とは関係が無い。物語といっても、絵本のようなメルヘンではなく、実在した偉大な人物、古き良きアメリカ人のサクセスストーリーがほとんどである。いまのぼくにとって、これらの書物から学ぶべきところがたくさんある。


6月17日 ()
ぼくは、いつもお客さまから、笑顔と元気をもらっている。ぼくの仕事は、お客さまがみんなもっている、笑顔と元気の素に必要な道具を販売し、お客さまからは、増えてパンパンになった笑顔と元気をもらっている。そう、うちのお店は、笑顔と元気の素によって成り立っているお店なのだ。

先日、若い新婚さんお二人で海外旅行に持っていくためのバックパックを見に来られ、お二人ともZシリーズとジェイドシリーズの50リットルのバックパックをご注文された。グレゴリーのバックパックが、昨日入荷したため、その若い新婚さんに連絡をして、今日のお昼ごろ受け取りに来られた。ご来店されると、若ご夫婦の奥さまが「出発は26日にきまりました。」と元気いっぱいである。

お二人は新婚旅行で、約1ヶ月間ヨーロッパ各国を移動しながら滞在されるご予定だ。飛行機は往復とも、成田からロンドン直行便をご利用される。中国航空、ロシア、シンガポールなどいくつも調べたけど、みんな満席だったそうだ。そのお二人は荷物を50リットルのバックパックひとつという身軽な荷物で、イギリス、イタリア、ローマ、ドイツ、フランス、スイス、というヨーロッパ各国を歩き回られるそうだ。1ヶ月間のヨーロッパの旅は、基本的にユースやロッジに泊まり、たまに現地のレストランを利用し、基本は現地スーパーで食材を調達しながら自炊をメインに考えているそうだ。移動の足は、歩きに、電車、バス、時にはレンタカーなど。シュラフを持って行き、テントを現地調達できれば、ヨーロッパをキャンプしながらのバックパッキングの旅になるだろう。

「帰ってきたら、報告にきます。」とその若ご夫婦は、赤と黄色のピカピカで空っぽのバックパックを二人並んで背負ってお店を出られた。このバックパックにパンパンの夢を詰め込んで、大空を飛んで、海を渡り、世界の大地や森を歩いて、また元気を持ってきてください。



6月16日 ()
いよいよ、禁断のふたをあけ、中から静かに眠っているOREGON300を取り出した。弊店のパソコンにUSBケーブルでリンクさせ、マイクロSDカードをOREGON300のスロットルに差し込んだ。OREGON300は静かに起動をはじめ、つぎにTOPOのパッケージを開封する。中からシリアルのカードを取り出し、ガーミンのWEBサイトからロック解除した。

弊店のパソコンにインストールされているMapSourceのアイコンをクリックし、起動させ、ロック解除コードを入力し、いよいよ、マップの転送がはじまった、、、

今日は、初期設定サポート付きでご注文いただいたガーミンの最新GPSであるOREGON300日本語版のセットアップ作業をさせていただいた。ご注文は、遠方からお電話をいただき「初期設定していただけますか?」というお問い合わせに、ぼくはこれ以上ないような元気な返事をした。

「はい、お待ちしておりました。」

ということで、今日は、新機種であるオレゴン300のセットアップと、初期設定、動作確認を入念に行った。機能は、ほぼコロラド300と同じで、タッチパネルによる操作感が若干違うくらいである。タッチパネルは、液晶画面上に表示されるボタンも大きく操作しやすい。操作も簡単。メインメニューからアイコンを選んで人差し指で軽く触れるだけで、画面が変わる。ボタン配置もわかりやすく、すこし、いじくれば、誰でも使いこなせる。

この操作感覚は、実際に体験してみないとわからないだろう。

んん、ぼくの意識の遠いところから声がする。「デモ機はやっぱり必要か、、、」





6月15日 ()
今朝はいつもより1時間遅く目が覚めた。時計を見ると5:30。着替えて光城山へ。
6:15より3分ほど遅刻をし、TさんとNさん、Yさんと合流し、光城山のトレーニングがはじまった。 ぼくは、いつもより体が重くなったような感じで、足取りも重い。もう少し、トレーニングの回数を増やすしかない、、、もうNさんの後ろを歩くことにも慣れてきた。

光城山トレーニングから、TさんNさんと一緒にBC穂高に戻ってきた。お店のウッドデッキで各自持参した朝食をたべながら、次回の倶楽部ミーティングの場所の設定を打ち合わせ。Tさんのご提案で、次回のミーティングは『お食事ミーティング』という楽しそうな企画になった。問題は、どんなディナーにするかである。いろいろ話し合った結果、北穂高にある地ビールとステーキレストランのツインオークスがいいんじゃない。ということで、ほぼ決定した。あとは、担当のTさんのBBS連絡待ちである。



6月14日 ()
今朝の起床は午前3:30。ぼくは、いつもより少し早起きをして、中房登山口に車でむかった。今日は、バックカントリーマウンテン倶楽部の登山で有明山を表参道から入り、中房へ下山する日である。参加するクラブのメンバーは男4人で、リーダーはノリちゃん。うち3人は競技部でもう1人もタフマンである。いやな予感がする。ぼくは、お仕事のため登山口から仕事にもどるだけ。中房に皆さんの車を止め、ぼくのハイエースで、皆さんを登山口まで運んで、お見送りをしてバイバイ。

お店で普通にお仕事をしていると、午後1時すぎに、クラブのメンバーが続々とお店に戻ってきた。帰りに温泉で汗も流してきたそうだ。ぼくのいやな予感は的中した。「速すぎる。」ノリちゃんをリーダーにしたのが間違いだったのか?何を勘違いしたか、ノリちゃんは有明山初登山で、気合が入っていることはわかるが、ノリちゃんが履いてきたトレランシューズをみて「えっ、走るの?」と一瞬頭をよぎったが、、、まさか、、、

登り3時間40分。下り1時間ちょい。スピード有明山登山に参加されたみなさん、おつかれさまでした。下山後に降ってきた、雷雨にあわなくて良かったね。・・・Nさん参加しなくてよかったね。



6月13日 ()
「靴を売ってください。」と元気にご来店された女性のお客さまは、東京から今朝、特急列車に乗り、安曇野に日帰り旅行に来られた。列車に乗ると、履いてきた登山靴のソールが剥がれてパコパコしていた。最初は何が起きたかわからなかったけど、とりあえず、持っていた輪ゴムで靴底を縛り、そのまま穂高駅までこられたそうだ。その底が剥がれてしまった靴は10年前に、アフリカの砂漠を観る目的で旅行されたときに、登山店で購入されたLOWAの皮の登山靴である。旅行から帰ってきたら、お手入れをして、しっかり箱に入れて保管されていたそうだ。靴はたしかにピカピカだけど、ソールに使われているウレタンは、加水分解を起こし、経年劣化のため、ボロボロのスポンジと化していた。

「こんなことに、なるなんて、びっくりしたのよ。」

「靴を見てくださるかしら。」

と、そのお客さまは、けろっとしてぼくにこう言った。
山登りをすることは無いということだったので、LOWAの短靴をおすすめし、サイズを合わせて、靴下もいっしょに購入され、履き替えて、安曇野の観光にお出かけになられた。

「こんなことって、あるのかしら?」

「夏は3日に1人くらいかな。夏山では、毎日何人もガムテープを巻いて歩いていますよ。」
「箱に入れて10年間放置すると、どうしてもこうなります。」
「登山靴には衝撃吸収のためにウレタンを使っていて、それが、4年以上放置すると、みなさん剥がれています。」

「丁寧に箱に入れてしまって置いたのよ~。」

午後2時ごろ、さきほどの女性のお客さまが再び来店された。

「行ってきたわよ~。」

「足にぴったりで履き心地いいわね~。」

「たくさん歩いたけど、どこも痛くないわよ~。」


とお客さま。すっきりした表情である。穂高駅から歩いて、山麓線にあるビフ穂高という物産センターでお蕎麦をたべて、周辺を散策されて、帰りはタクシーで穂高駅まで来られたそうだ。そのお客さまは、これから電車で帰られるということ。列車の時間まで、まだ少しあったので、珈琲を飲みながらお話していて、山登りはしないとおっしゃっていたけど、軽い山登りから始めればどうか、すすめてみた。「・・・考えとくわ~。」





6月12日 ()
オープンしてまだ間もない頃に、いちどご来店された若い女性とご友人のお2人が、再びご来店された。2年ぶりくらいだろうか。お店の内装が様変わりしたことにびっくりされていた。以前は、狭い店内に効率の悪い什器というか棚が配置され、ウエアコーナーは、ハンガーにかけた衣類を掻き分けて通路を歩かなくてはならなかった。オープン後、ぼくは店内のほぼ全域を改良し、今も改造はつづいている。今では懐かしい。

お客さんが帰られた後、何気なくパソコンのYAHOOで検索すると当時の記事をみつけた。



6月11日 ()
弊店の読書コーナーに「ひとり歩きの登山術」という本が置いてある。この本には、山はひとり歩きのほうが断然楽しい。というような見出しで、ひとり歩きの楽しさや、ひとり歩きを想定したキャンプ、技術など、興味深い内容が書かれた本である。

単独登山というと、警察や遭対協など、登山者を指導する立場の人たちは「単独登山は危険だから、やめたほうがいい。」と叫ばれている。確かに、単独登山の遭難事故は、件数のわりに、重大事故に繋がるケースが多いのは事実である。独りの場合、動けなくなっても、周りに人がいなければ、助けを呼ぶこともできず自力で下山できない場合、即遭難事故として扱われるためである。そして、独りの場合には、現場の状況を伝える人がいないため、救助に時間がかかってしまうことになる。

ただそれは、単独登山者の心構えひとつで、状況は大きくかわる。「山のひとり歩きは楽しい。」その楽しさは、まず、他人に合わせる必要が無い。気楽にマイペースで歩ける。独りで歩いていると、いろんなことを考える時間がたっぷりある。しかし、山を歩きながら仕事のことや、難しい計算ができるわけではない。どちらかというと、自分自身のことを見つめているだけである。不思議と、独りで山を歩いていると、自分と会話していることに気が付く。自問自答である。その自問自答から、自分を見つめて、自分を発見することがある。これが、自分発見の旅となるのだ。これは、独り旅にしかできないことである。

山で独りの場合、一番不安なのが、道迷い遭難である。複数人で歩いていると、道を間違えても、誰かが気がつき、修正することができる場合でも、独りのときは、気が付くのが遅れてしまうことがある。そして、道に迷うと不安になる。独りの時はなおさらである。人の心理的として、不安や恐怖に襲われると、人がいる方向へ向かって歩き始める。山では、里を求めてしまうのだ。山は登り続ければ、必ず稜線に出る。山頂に向かえば、登山道に出る確率が高い。しかし、迷った人は、不安と恐怖でパニックに陥ると、下へ下へ向かってしまうのだ。すると、さらに状況は悪化する。谷には、沢があり、崖があり、滝がある。最終的に身動きが取れなくなるか、足を踏み外し、崖や滝から転落してしまう。また、谷では捜索も困難になってしまうのである。

ひとり歩きの魅力は、歩きながらいろんなことを発見できること。いろんなことに感動できることである。そして、すべて自分の責任で行動しなければならないため、準備も万全に整え、第三者に迷惑をかけてはいけない。という心構えをもって山に入るため、大勢で歩く時より、1歩1歩が慎重になる。もちろん、天候や状況の判断も慎重になる。山から無事に降りてきた充実感も味わうことができるのだ。

誰が何と言っても、山のひとり歩きは楽しい。ぼくは、道迷い遭難は、今時のGPSで解決できると思っている。今の携帯GPSは精度や地図表示の完成度もかなり高い。山で持っていると安心だし、行動範囲も広がる。また、家族にも安心してもらえるので登山保険のようなものである。




6月10日 ()
あるアウトドアメーカーの営業担当さんのお話しでは、あと数年で、ゴアテックスのテントが市場から姿を消すという。ゴアテックス社から、テント用のゴアテックス素材の生産を中止するという通達があったそうだ。

じつは、ゴアテックスには、レインウエアなどで使われているゴアテックス素材と、テントやシュラフカバーなど、シェルターとして使われているゴアテックス素材は、その性質がちがう。レインウエアの素材は、透湿防水を重視した通気性の無い素材に対し、シェルに使われるゴアテックス素材は、通気性を持たせた素材を使用している。

人が中に入ることを目的にした、テントやシュラフカバーなどのシェルターは、その生地から酸素の供給ができないと、テント内が酸欠状態になり、生命に危険を及ぼすことになる。そのためテントには通気性をもたせているのだ。

ゴアテックス社は、何十年も、レインウエアなどのアウターシェルで登山界をリードしてきた。いまでも、その支持は絶大で、山を歩いていると、ブランドロゴは違うものの、ゴアテックスのレインウエアは、90%以上ではないか?と思われるほど、ゴアテックスだらけである。他の生地メーカーから、ゴアテックスと同等かそれ以上の素材がいまだに出てこないのが不思議なほどだ。

ゴアテックス社は同時に、30年以上前から、テント用のゴアテックス素材を作ってきた。ゴアテックステントといえば、エスパースをはじめとし、アライテント、ダンロップ、有名なところで、ICIのゴアライトなどがある。ゴアテックステントは、シングルで設営が簡単で、雨でも雪でも使える。何よりも、生地の耐久性がずば抜けていて、長年にわたり、愛用できるすばらしいテントである。おまけに、ゴアテックス素材は、他のテントに使われているナイロン素材と違い、生地の伸びがほとんど無い。雪崩などでテントが上から押さえられると、ナイロンテントは、ぺちゃんこに潰れるのに対して、ゴアテントは、ある程度の重みなら生地がしばらく耐えてくれるのだ。正確にどの程度の雪崩まで耐えるか実験はしていないが、ぼくは、以前、ゴアテントに命を助けられた経験がある。斜面を掘ってテントを設営し、夜中に降りだした雪が、積雪40cmほどになり、それが、斜面を流れてきた。斜面から流れてきた新雪は、一瞬で、ぼくが寝ているテントを呑み込んでしまった。一瞬何がおこったかわからなかったが、テントが半分潰れていて、その押されているところを触ると、雪であることがわかった。飛び起きて、ぼくは、外に脱出したのだ。テントは完全に雪に呑み込まれていた。しかし、雪が軽かったのもあり、テント内が半分押しつぶしただけで、ぼくには、動けるだけの空間があった。登山靴を履いたままシュラフに入って寝ていたため、ぼくは、すぐに、テントを破って、雪を掘って、外に脱出することができた。靴を履いて寝ていたため、すぐに動けたのもよかった。あのとき、ナイロンテントだったら、動けないまま、助けを待つしかなかっただろう。助けなど来るはずも無い状況だったので、ぼくは、数分後には、生きてはいなかったかもしれない。

ゴアテックスはテント素材としても最高の素材である。生地は3枚のレイヤーからできているため、丈夫で、耐久性がある。テント内の結露も少なく、風にも強い。ぼくの経験は、たまたまだったのかもしれないが、雪崩にも強い?
弊店でも冬にも使用するテントとしては、アライのゴアライズをおすすめしている。メーカーでは、今までの実績で、数年間分のゴアテックス素材を確保したというが、無くなることが知れ渡れば、一気に在庫が尽きるだろう。ゴアテックステントを購入されるなら、いまだ。



6月9日 ()
GARMINの携帯GPSの最新機種であるOREGON300が入荷した。とはいえ、もう1ヶ月ほど前に入荷していた。箱をあけると、きっとぼくの物欲が言うことを聞かなくなる。そんな気がして、お店のカウンターの上に入荷したOREGONをしばらく置いていた。OREGON300の機能は、Cororado300に似ているようだが、大きく違う点は、タッチパネル方式の操作と、何といてもバッテリー寿命が16時間になったことである。Colorado300はバッテリー寿命だけが気に入らない点だったため、これは大きな差である。それと、やはりタッチパネルの操作感が気になるところだ。

ぼくも、いつ手をだしてしまうか、、、実際に使ってみると欲しくなると思う。Cororadoを購入したときも、お客さまのGPSの初期設定サポートが連続し、操作しているうちに、ぼくの物欲が爆発した。今回も誰かに釣られないことを祈りたい。

1台デモ機も必要かな、、、





6月8日 ()
弊店では、登山靴をはじめご購入いただいたお客様に、その登山靴を山で一度履いていただいたあと、もう一度ご来店いただき、登山靴のお手入れ実演講習を実施している。その時に、太田流登山靴の簡単お手入れ方法を伝授しているのだ。どうして、ご購入いただいたときにご説明しないのかというと、ご説明するときは、登山靴のご購入を決められた後になるため、お客さまは、ワクワク、興奮されていて、その後のぼくの説明は耳から素通りになってしまい、ほとんどの方が頭に入らないから。そして、もうひとつの目的は、その登山靴の履き心地や、その具合をお聞きすることができるためである。その時に、痛かったり、靴擦れができた。ということをお聞きできると、靴紐の締具合をチェックしたり、もう一度サイズやフィット感を確認して、調整ができるのだ。

GWごろにLOWAのヌバックレザーの登山靴をご購入いただいた男性のお客さまが、この週末に山に行ってこられて、泥のついたままお持ちになられた。

まず、お手入れに使うセットを用意する。バケツに水を入れ、いつものように、泥汚れを落とし、秘伝のクリームをぬり、ブラッシング。一通り説明して、お客さまのLOWAはピカピカになった。お客さまは、ぼくのお手入れ方法を見ながら「HE~。」を連発されていた。

お手入れを実演しながら「履き心地はいかがですか。」とお尋ねすると

「不思議と、どこも痛くありません。」とお客さま。

歩き方、靴紐の締め方、お手入れ方法と保管の仕方などを付け加えて、ピカピカになったお客さまのLOWAをお返しした。



6月7日 ()
登山靴のご相談をいただくとき、ぼくは、まず、2種類の登山靴の材質の違いをご説明をする。アッパーがナイロンで形成されていてレザーで補強されているタイプと、ヌバックなどのレザーで形成されているタイプである。どちらにも、メリットとデメリットが存在し、まず、その違いをご理解いただく。つぎに、足の形を見せていただき、専用ゲージで、長さと横幅を測定する。そのとき、お客さまに「足のサイズはいくつですか。」とご質問すると、たいていの人は、0.5mmから1cmほど大きめに認識されていることが多い。そして、正しい足の長さを伝えると、驚かれることがある。これには訳があり、日本人の足型は、ぼくの経験では、まず、同じ足型の人はほとんどいない。そして、80%ほどの方が、程度は違うけど幅広タイプの足である。そして、登山靴のほとんどが、日本人の足型とは異なる形をしていることである。幅だけではなく、つま先からかかとにかけてのラインも違うのだ。ヨーロッパ系の靴で、小指の爪あたりが痛くなる靴、土踏まずの内側が圧迫される靴、外側のくるぶしが痛くなる靴、などは、そのカーブが原因となっている場合が多いのだ。サイズを大きくして無理やり調整すると、かかとのカップの大きさや土踏まずの位置などが合わなくなる。だから、自分の足に合う靴というものは、見た目のかっこよさではわからないものである。多くの方は、幅の狭い靴を長さで調整して、0.5mmから1cmほど、大きく履いている場合が多いようだ。靴擦れをするのは、それが原因か、靴紐の締め具合が悪いか、歩き方が悪いか、そのどれかだ。

足に合っていない靴は、歩き方を悪くする。結果的に、足首、膝、腰に負担がかかるもの。とくに下りで膝が痛くなる場合も、原因はそれだけではないだろうが、足に合っていない登山靴が一番の原因となっていることも考えられる。膝や腰の痛みを治療する前に、足にぴったりの靴を履いて快適に歩いて予防したほうがいい。

ちなみに、ぼくの足は、LOWAのWXLのUK8がぴったりフィットである。





6月6日 ()
最近、あさ4時から5時には目が覚める。まったく目覚まし時計がいらなくなった。人間、継続すると早起きも習慣になるものである。しかし、最近、お昼を過ぎると、強烈な睡魔に襲われることがある。これもまた、習慣になってきた。お店が暇な日中にパソコンで作業をしたり、本を読んでると睡魔は頂点に達する。今日は、おけいちゃんの出勤日である。今日もいつものように、昼食後に強烈な睡魔が襲ってきた。おけいちゃんに一言おことわりして、(お店は暇だったので・・・)お店の読書コーナーにセットしてあるハンモックに乗って、ぼくはハイパースリーブに入った。

目を閉じると、強烈な睡魔に身を任せ、気持ちの良い夢の世界へ吸い込まれていく。その瞬間に

「あれっ、なんだか、いやな気配を感る。」

ぼくは、そおっと、目を開けると、おばさまが、すました顔で、ハンモックの中で居眠りをしているぼくを覗き込んでいる。

そのおばさまは、某カモシカスポーツで働いていた時の定連さんだった。最近、人づてに、ぼくが駅前のお店にいることを聞いて、今日は様子を見に来られたそうだ。

「おおたくん、太ったね。」と夢の世界に入る寸前に、現実に引き戻されてしまったぼくに向かっての第一声である。元気のいい、そのおばさまは、5年ぶりくらいだけど以前とかわらない。いろいろ、お買い物をされて、弊店のメンバーズ会員様にもなってくださった。かえり際にそのおばさまは「これから、お客さんいっぱい、連れてくるからね~。」と相変わらずのお元気だ。

ぼくは、10年前、この世界に入り、いろんな人、お客さま、素敵な人と出会い、しばらくその世界から離れていたけど、再び、ぼくは、またこの世界に戻ってきた。そして、毎日毎日、いろんな人と出会う。その毎日をいつまでも大切にしたい。ぼくは、いま、すごく充実していることに気が付いた。



6月5日 ()
BC穂高のスタッフは、勤務時間内に1日1時間、読書の時間を設けている。BC穂高の珈琲コーナーは、いま、読書コーナーと呼ばれている。スタッフは、午前9時~10時の1時間、よほどのことがない限り、お仕事を休止して読書に専念しなければならない。ということにした。

★ご連絡・・・珈琲(読書)コーナーは、BC穂高会員様への無料サービスです。みなさん、お気軽に珈琲を飲みにきて、読書などもお楽しみください。



6月4日 ()
「今週末、燕岳に登るための冬用登山靴を見てください。」という男性のお客さまがご来店。

ぼくは「なんで?」と思い。
「冬靴ですか?」
と聞きなおした。

その男性のお客さんは、夏用登山靴はお持ちで、その靴に装着可能な10本爪アイゼンもお持ちとのことである。

ぼくは「それでいけるんちゃう。」と思って尋ねてみると。

そのお客さんも夏靴でアイゼン付けて登ろう。と考えられていたが、先日、燕山荘へ問い合わせたところ、冬装備でお願いします。と言われたそうである。

山の掟。・・・山は山に従え。

春だからとはいえ、ここ数日、北アルプスの稜線は、雪が降ったり止んだり、一晩で30cmの積雪もあり、春山とはいえ、その日の天気次第では、霙や雪が降る。

そのお客さんも、年末の燕岳登山を目標にされているということなので、目的に合ったバッチリの冬登山靴をおすすめした。足型は、日本人特有の巾広甲高である。シリオの770モデルでワイズが3E+のサイズ25.5cmがぴったりフィットした。山登りは今週末なので、燕岳が足慣らしになる。「ゆっくり歩いてくださいね。」と念を押してお願いした。



6月3日 ()
ここ最近、遠方から登山目的に来られる方が立て続けに弊店に来店され、装備を整えられて山に入られている。埼玉県、群馬県、長崎県、山口県、愛知県、滋賀県、ほとんどの方が、弊店のWEBサイトをご覧になられているご様子で、初対面の会話でもなんだか話しやすい。中には、北アルプスの現状を確かめないで来られて、アイゼンやピッケルを購入されて山に入られた登山者もいる。滋賀から来られたMさんは、グレゴリーの70リットルバックパックとテント、食料などを調達されて山に入られた。そういう登山者を昔ながらの軍隊教育では、「何事かっ!」と批判をうけるに違いない。ところが、本場ヨーロッパアルプスの街シャモニーでは、現地調達のスタイルが市民権を得ている。というより、トレッキングや登山の装備を現地調達するのも、旅の楽しみになっているようである。ぼくは、そのスタイルに憧れて、北アルプスの街である安曇野の穂高駅前の一等地に登山ショップをオープンした。だから、BC穂高は、どちらかというと現地調達を目的とした登山ショップである。弊店の在庫は、いかに、現地調達の方の役に立てるか。ということをテーマにしている。現地調達は責任重大である。在庫にミスは許されないのだ。現在、夏山シーズンに向けて、毎日、毎日、いつ売れるかわからないような商品がいろいろ、段ボール箱に入って入荷する。その度に、BC穂高の整理整頓担当部長のおけいちゃんは、倉庫の方付けや、商品の収納に四苦八苦する。段ボール箱と格闘するおけいちゃんは頼もしく、彼女がお片付けをはじめると、ぼくは、船長の指示を待つ、ただの乗組員になる。そして、彼女は、段ボール箱が入荷するたびに、ぼくをにらむ。たしかに、無駄な在庫、ぼくの趣味で発注してしまった商品もたくさんある。そして、今日もまた、運送屋さんが、お店の前に停車して、段ボール箱が降ろされると、ぼくは、蛇ににらまれた蛙になる。

今日は、一日朝から、登山靴のぴったりフィット保証の案内ページを作ってみた。弊店は、昨年夏から登山靴のお悩み相談が毎日のように持ち込まれるようになった。ときどき、遠方からも「登山靴を見てください。」というお客さまが来店される。それらの登山靴は、足のサイズ長さと横幅のサイズが合っていない場合や、足型に合っていないことがほとんどで、靴下やインソールで調整できるものもあるけど、不可能な場合もある。当然ながら、弊店でも、登山靴の販売をしているため、ミスは許されない。今回のぴったりフィット保証は、弊店でも販売するときに、心を引き締める意味もある。登山靴の履き心地は、登山を快適に楽しむには、絶対条件なのである。お客様にとっても、ショップにとっても登山靴のフィッテングは、真剣勝負。ショップからすると、年間100足のうちのたった1足である。大型店ならその10倍以上販売するお店もあるだろう。しかし、お客さまにとっては唯一の1足である。そのすべての1足に履き心地をお約束することにした。「買ったばかりの登山靴が痛くて、山登りをやめました。」という方もいる。それは、商品が返品されるより、はるかに悲しいことである。だから、弊店では快適な登山を楽しんでいただけることを保証することにした。



6月2日 ()
「ハイドレーションを買いに来ました。」とYさんが来店され、何のためらいも無く、キャメルバックのハイドレーションシステムを手にとってレジカウンターへ持ってこられた。女性のYさんは、昨年の秋、北アルプスの常念岳へ三股登山口から、前常念を経由して山頂に向かうルートを日帰りで登られたときのこと。

前常念のあたりで、トイレに行きたくなられたが、このルートには途中にトイレが無い。また、最寄のトイレとなると常念岳を登頂された後、約1時間かけて乗越まで下り、常念小屋のトイレを利用するしかない。日帰りで三股へ下山する予定だったYさんには選択肢が2つである。トイレを我慢して、そのまま三股登山口まで下山するか、常念小屋まで下り、トイレを利用するかわりに山小屋に1泊するか。である。常念小屋まで下り、また登り返すとなると、日帰りではかなりきつい。また、常念小屋から一ノ沢へ下ると、車の回収のためタクシーを利用することになり、山小屋へ宿泊するくらいの交通費がかかってしまう。Yさんは、たまたま山頂で居合せたご年配の登山者に、登山口まで車で送ってもらうことになり、常念小屋へ下りトイレを済ませ、一ノ沢へその親切な登山者のご好意で車を回収することができたそうだ。

先日、Yさんが来店されたときに、ぼくはYさんに、そんな苦い経験があることを知らずに、Yさんにハイドレーションシステムのメリットについて詳しくご説明したことがある。女性には当然トイレ対策になること。体に良いこと、洗うのが少し面倒なことをご説明した。


ハイドレーションがどうして、女性のトイレ対策になるかは、歩きながら水分の補給ができる点にある。水は一度に体内へ吸収できる量がだいたい決まっている。飲んだ分だけ体に吸収できるわけではないのである。昔はスポーツのとき「水を飲むとバテるから飲むな。」と言われていた。それは大間違いである。運動をすることで汗を出し、出した分の水分を少しづつ補給することで、体内の水分バランスを崩さないことが、バテない秘訣なのだ。ハイドレーションは、歩きながら必要な時に必要な量だけ水分補給ができるため、休憩のときに水をがぶ飲みする必要がない。常に水を飲むことで、体の水分量はいつも満たされた状態になっているのだ。そして、それらの水分はすべて体へ吸収されるため、尿へまわされる水分が少量になる。喉が渇くと脱水症状の始まりだと言われる。喉が乾くと体が水分を要求し喉が渇く。喉が渇くと、飲んでも飲んでも喉の渇きが止まらない。一度に飲んでも一定量しか体内に吸収されないため、いつまでも喉の渇きが止まらないのだ。そして、脱水症状は、体のあちこちに不具合を生じさせてしまう。足が痙攣したり、攣ったり、水分不足は酸素不足にも繋がる。高山では酸素不足は、体調に大きな影響を与える。頭が痛くなったり、食欲が無くなったり、悪循環のスパイラルに陥ってしまうため、いいことはない。そして、一気にがぶ飲みした水の大半は体に吸収されず、尿にまわされることになり、トイレが近くなってしまうのである。男性ならまだいいが、女性には、大きな問題となってしまう。

ハイドレーションシステムを使いこなすことで、体内の水分量のバランスをコントロールできるため、体調管理が容易になる。体の水分量は、いつも満たされた状態で歩く快適さを味わえる。そして、女性には、トイレ問題を解決してくれるという、山登りの心配事をいくつも解決してくれるのだ。そして、無駄な水分補給をしなくなることで、今までより、水をもつ量も減らすことができ、結果的に荷物の軽量にもつながるのである。

ぼくは、昨年、キャメルバックの輸入元であるモンベル社の営業担当のOさんと、ハイドレーションシステム普及委員会を作って普及活動をしている。ぼくは、今まで、多くの方に、とくに女性の方にハイドレーションをおすすめしてきた。そして、ぼくのセールストークに、だまされたと思って、お使いいただいているお客さまから「いちど使うと、やめられないわ。」と言うお客さまは、その良さを実感されているのだ。ヨーロッパやアメリカでは、トレッカーの80%以上がハイドレーションシステムを使われているそうだ。正確ではないが、日本では、まだ20%ほどだろう。まだ、戦後教育の間違ったイメージが根強く残っているのか、ホースで水を飲むことにためらいがあるのだろう。ここ最近は、リュックサックのほぼ100%がハイドレーション対応となっている。近い将来、日本のトレイルもスポーツ選手のトレーニング、自転車、フィットネスなど、あらゆるスポーツでハイドレーションシステムがもっと普及していくだろう。



6月1日 ()
あさ、3人で光城山を走り、気持ちの良い、すがすがしい、新しい月のスタートである。、、、太ももの筋肉痛を除くと、、、

今日は、お店をおけいちゃんに任せ、茜空が通う幼稚園に行った。参観日でもなければ、呼び出されたわけでもない。ぼくは、今日1日、幼稚園で、木のおもちゃを作ることが目的なのである。お店から、電動工具一式と材木のはぎれなどを車に積んで、茜空とユカと3人で幼稚園に行く。幼稚園に到着すると、車を作るための木の箱をお家から持ってきて、ぼくが来るのを待っていた子供がいた。まず、その子の車の制作とりにかかった。木の箱にタイヤと紐を付けてその子に渡した。そして、子供たちから「早く作って。」などとせかされながら、幼稚園の行事とは、まったく関係なく、ぼくは黙々と木の車を作った。1日でできるのは、6台くらいかな?なんて考え、木の車のパーツを作り、お昼のお弁当の時間には、ほぼパーツは完成した。午後は一気に組み立てて、完成した順に「欲しい。」と言ってきた子に渡した。園児は、20人ほどいて、木の箱を持って来た子と、あと6人、ほしいと言ってきた子には全部行きわたり、足りないことでの修羅場はなくホットした。3時ごろには片付けて、茜空やユカといっしょに帰ってきた。

今日作った車には、子供たちができる作業はまったく無く、ぼくが作って渡しただけだった。次回は、いろいろパーツだけ作って持って行き、子供たちが工作できるようにしようと思う。おそらく、そのほうが、幼稚園のスタイルに合っている。