登山靴と山岳テント専門店 バックカントリー穂高


May 2010
5月31日 ()
今年の7月に、海外にトレッキングに行かれることになったNさんが
登山靴を新調される目的で、ご来店された。

4年ほど前に他店のガラクタセールで購入されたという登山靴の
ソールが剥がれてきているという。

ソールの張り替えに出せば、3週間ほどで新品のビブラムソールに
張り替えられて戻って来る。

それは、解決できるけど、買い替えをお考えのNさんの登山靴には
解決できない、足が痛くなる問題を抱えているのである。

今回の海外トレッキングでは、1日15時間歩くハードスケジュールが
用意されているため、足が痛くなる登山靴では、とても歩きとおせない。

Nさんの足型は、一見シリオ足に見えたけど、フィッテングをしていくうちに
LOWA足であることがわかった。

"一番快適な登山靴をください。"というNさんにぼくは、TAHOEを手にとって
靴紐をほどいて、足を通していただいた。

足を入れた瞬間に、Nさんの表情は、ぴったりフィットだった。


先日、LOWA TAHOEをご購入された男性のお客さまは、
登山靴のお手入れ講習のために、いちど山を歩かれたTAHOEをご持参された。

さっそく、バケツ、雑巾、金ブラシ、靴ブラシ、コロニル秘伝のクリームを
準備する。そのあいだに、お客さまに靴紐をほどいていただくようお願いした。

まずは、ぼくが、ご説明を添えながら、登山靴のお手入れをはじめた。

バケツの水と雑巾、ブラシを使い、泥汚れを落とし、クリームを塗っていく
最後は、ブラッシングで仕上げ、もう片方を、お客さまご自身で、ぼくが示した方法で
お手入れをしていただいた。

「これ、楽しめますね。」

と、お客さまは、笑顔がこぼれる。


その1 水洗いは大胆に。隅々まで泥汚れを落としましょう。



登山靴のお手入れは簡単だけど、手を付けるまでに、時間がかかる場合がある。

しかし、やり始めると、けして辛い作業ではなく、ほとんど楽しくお手入れができる。

お気に入りの登山靴がピカピカになると、気持もピカピカになるようだ。



水洗いができたら、濡れた状態で、クリームをぬりましょう。



水洗いの後は、コロニルのポンプ式のワックスクリームを手でぬりこむ。

手である程度、ぬり伸ばし、靴ブラシで仕上げていく。

隅々まで、クリームがなじみ、皮の色がむらなく変わったら
つま先やかかとなど、岩などでキズが付くような場所に、BEWAXを
ぬり、さらに、磨きブラシで、ブラッシング。



水洗いができたら、濡れた状態で、クリームをぬりましょう。



ブラッシングには、時間をかけると、ヌバックレザーの革靴に
光沢がでてきます。

革の表面がつるつるになってきた証拠です。

表面がべとつかず、つるつるになるまで、ブラッシングを丁寧に
かけると、革がベストな状態になります。

ワックスは、不足してきたら、補うように、お願いします、

ぬり過ぎは、帰って登山靴を痛めることにもなってしまいます。

革の表面が、ベトベトの油漬け状態だと、革が窒息してしまいます。

また、乾燥して、パリパリになっても革の繊維が破壊されてしまいます。

革のベストな状態とは、新品の時の状態を維持することです。

それは、言葉で表現すると

べとつかず、つるつるお肌で、どことなく、しっとりしなやか。





靴のお手入れは、このブラッシングが大切








5月30日 ()
LOWAのTIBET PROのUK8.5が
ぴったりフィットのお客様は、最初に足を通された瞬間の表情から
"これです"という心の声が聞こえた。

ローバーのフィット感が大変気に入られたご様子。

登山靴のフィッティングは、お客さまが足を通した瞬間や
靴ひもを縛り上げ、立ちあがっていただいた瞬間のお客さま
一語一句、表情、しぐさを見逃さない。

ときには、"んんん~" だったり、"うおお~"
だったり、その表現方法はちがうけど、集中して五感を働かせると
自分がためし履きをしているかのように、その感じが伝わってくる。

TIBET PROのお客さまは、足を通した瞬間に

"おおおお”という声が聞こえた。

そして、目は前を見ながらも気持ちは足に向いていて、焦点はあっていない。

立ちあがって、早く歩きたい気持ちが伝わってくる。

今までで、一番気持ちいい登山靴を履いた瞬間の行動である。


今日から、バックカントリーWEBサイトをリニューアルオープンしました。
このWEBデザインから、"歩み寄り、語りかける" テーマに向けて
お店もツアーもさらに楽しく進化していきます。

バックカントリーオンラインショップは、今後、新入荷ブログとリンクして
楽しく、便利に、わくわく、どきどきするような、ショッピングサイトをお楽しみ
いただけるようにしていく予定です。

トレッキングツアーや登山教室は、家族で楽しめるツアー、ステップアップ講習、
バックパッキングツアー、お手軽に参加できる日帰りコースなど、本格的な登山から
楽しむことがテーマのトレッキング、ハイキングなど、テーマごとに日本全国の方に
お楽しみいただける企画を考えていきます。

トレッキングツアーは、頂上に立つために山に登るより
楽しむために山に入るスタイルでいきます。

ステップアップ講習は、雪山安全講習、夏山安全講習、雪崩セルフレスキュー講習など
だれも教えてくれない技術や、知識、経験をお伝えしていきます。

はじめて山登りをされる方が、スムースに入れるように、"はじめの一歩" を開催します。

バックカントリー穂高は、はじめて山登りにチャレンジされる方でも
楽しく快適にその一歩が踏み出せる良きアドバイザーとして、信頼していただける
ショップを目指します。

また、日本全国から北アルプスを楽しまれているすべての登山者の方々の
お役にたてるショップとして、夏山シーズンは、あさ4時からの早朝営業
登山のご相談などにお答えしていきます。

Webサイトともども、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。





5月29日 ()
今日の日記から、ホームページの更新作業を
アドビーのドリームウイーバーCS4という
Web制作ソフトでの書き換えとなる。

今から、半年ほど前から、デザイン部のユカが
Webサイトをリニューアルさせるための準備を
すすめていた。

新しいサイトのテーマは、

歩み寄り、語りかけるバックカントリーWebサイト

もっと近くに、感じていただけるような話題や
山やお店の紹介、各種ツアーや登山教室のご案内を
させていただきたいと考えています。

もっと近くに感じていただき、もっとわくわくするような
ドキドキするような、バックカントリーにしていきたいと
おもいます。





5月28日 ()
自宅から徒歩3分、あさ6時10分前に出勤する。

玄関の南京錠を外し、鎖を解き、玄関のドアを開けると
店内はうす暗く、ひんやりとした空気に交じり
桧の香りが漂っている。

誰もいない店内は、静まり返り
重さ2kgの真鍮の錘に引っ張られ、バターンと
ドアが自動で閉まる。

ドアの閉まる音がやけに大きく聞こえる。

朝一番のこの静けさが、心地いい。

パソコンが入ったグレゴリーのリアクターを
カウンターに置き、カウンターの中に入る。

レジの左手にある、16個のスイッチを
一気にONにすると、店内が徐々に明るくなってくる。

BGMは、iPodからアンプを通り、4つのBOSE
から陽気な音楽が流れだす。

静まり返った店内は、息を吹き返したように目覚めた。


ぼくは、棚から珈琲カップを手にとり、珈琲コーナーに向かう。

先週新しく導入されたエスプレッソマシーンにカップをセットし
いつものエスプレッソボタンを押す。

マシーンは、ガラガラと珈琲豆を挽く音がすると、辺りに香ばしい
珈琲の香りが広がる。

数秒で、セットしたカップにエスプレッソが抽出される。

淹れ立ての珈琲を飲みながら玄関のドアを開け、外に出る。

安曇野の朝は、まだひんやり涼しく、気持がいい。

アルプスを眺めると、今日は、どんよりした雪雲がかかり、山は姿を
隠している。

空を見上げると、どんよりした雲の隙間に、青空がのぞいている。

今日は、晴れるだろう。

2杯めのエスプレッソを飲み干し、掃除をはじめた。

7時前に開店準備を整え、今日は、7時よりOPEN。

昨日、ご予約をいただいたSさんご夫婦がご来店されるため
今日は7時からの営業である。

BC穂高は、ご予約のお客さまがご来店されるとき、可能な限り
お客さまに合わせてOPENする。

Sさんご夫婦は、7時すぎにご来店され、今日から2日間、燕岳を登山される。

奥さまのアイゼン調整と、ピッケルのレンタルをご利用いただいた。

登山道の様子を聞くために、燕山荘に電話する。

元気な女性スタッフが電話口で、登山道の雪の状況を教えてくれた。

ついでに、Sさんご夫婦のご予約を入れ、車までお見送りした。

「いってらっしゃい。」





KAVUの帽子が沢山入荷した。

午前中は、のんびり、KAVUの帽子にプライスを
付けながら、KAVUコーナーを作り、きれいに並べた。

帽子にまじり、女性向けのバッグ類も数種類入荷。

ひとまず、片付けてから、ブログ用の写真を撮影し、一つ一つ、ブログにアップした。

今日は、KAVUの帽子がメインだけど、まだまだ他のモデルも
入荷しているけど、載せきれなかった。

ぼくが気に入ったのは、麦藁のカウボーイハット。






5月27日 ()
数日前に、レキのストックの修理で、先の石突とリングの
パーツを交換するご依頼をいただいた。

石突のタングステンが削れて姿が無くなっている。

お客さまは、取れてしまった。と言っていた。

取れたというよりは、鉄より硬いタングステンが根元から
削れてしまっている。

おまけにリングまで、削れてしまい、円が小さくなってた。
いったい、お客さまは、このストックをどのようにお使いなのか?

お渡しするときに、聞いてみよ。




削れた石突のパーツは、マイナスドライバーとハンマーで難なくはずれた。

ポールの先をきれいにふき取り、新しい石突のパーツを差し込み
外の歩道で、アスファルトに一突き。

取り付け完了、リングも取り付け、ポールを伸ばしてみると
予定通り、ロックができない状態だった。

いつものように、ポールを抜いて、締め具の中のネジ山を確認した。




ネジ山は、赤く錆びていて、締め具のプラスチックのパーツの
動きが悪く、中で空回りしている。

これは、よくあることで、ストックを伸縮するときに、空回りしたり、硬くて
緩まなくなるトラブルは、ほとんどの場合、ここが原因なのだ。

皆さまも、この日記を読み終えたら、ストックを確認してください。

錆びているようであれば、次のようにして、メンテナンスをして下さい。




真鍮のブラシでネジ山を磨き、錆を落とし、オレンジ色のパーツがスムーズに
ネジ回すと、移動するようにします。

あるていど、錆を落としたら、油はささないで、そのまま元にもどします。

しっかり締めたり、緩めたりできればOK





昨年の春に、弊店でシリオの登山靴をご購入いただいた女性のお客さまが
ご来店された。

お客さまは、足の幅が広く、おまけに外反母趾も出っ張っている足の持ち主である。

その時は、シリオの4E+で、ぴったりフィットだとおもわれた。

3E+では、少し窮屈感を感じていたご様子で、4E+が気持ちいい
とのことだった。

しかし、2,3度山を歩かれたあと、お手入れ講習のときに足が痛くなる
というご相談をいただいた。

中敷き、靴紐、靴下などあらゆる方法を試してみた結果、改善できなかった。

ご来店されたとき、靴の具合をお聞きしたら、最近は、履いていないという。

ぼくは、そのお客さまにもう一度、3E+でフィッテングしてみた。

どうも、気持がいいようだ。

そこで、ぴったりフィットの保証をご利用いただき、3E+のヌバックレザーの同等の
登山靴をお渡しし、いちど山を歩いて試していただくようお願いした。

3E+の登山靴で山を歩いてみて、履き心地が4E+よりも、良く
快適であれば、横幅のサイズの違う新品の登山靴に返品交換させていただく
旨のご説明をし、昨年お買い上げいただいた、4E+の登山靴を引き換えに
お預かりした。

もし、3E+が正しければ、ぼくのフィッテングを今後修正する
必要がある。

これで、履き心地快適ルンルンになってほしい。結果は、後日だ。




お客さまの4E+の登山靴。初のぴったりフィット保証対象の登山靴である。




愛知から、Mさんご夫婦がご来店された。

4月にMさんから、ローバーチベットプロのUK8のご予約をいただき
今日は、フィッテングのためにご来店された。

Mさんの登山靴のフィッテングをはじめると、オークリージャパンの
Kさんが、ほぼ同時に入店された。

ぼくは、しばらく、Mさんのフィッテングに集中する。

Mさんの足には、LOWA WXL UK8、ぼくと同じサイズで
ぴったりフィットだった。

ちょうど、そのころ、奥さまが、オークリーのサングラスに
興味をもたれていた。

オークリー社から新商品のご紹介のため弊店に来られていたKさんが
Mさんの奥さまに、オークリーサングラスのご説明をされている。

レンズについて、UVコーティングについて、フレームのフィットについて
順番にわかりやすく、ご説明されている。

ぼくも、おもわず、聞き入ってしまい、ときどき、質問したり
へ~と感心したり。

そのとき、ぼくは、店員さんではなくなっていた。

オークリーのレンズのUVカット効果は、100%永久的に持続する。
それは、レンズ制作段階で、レンズの材料の中に混ぜ込まれているから。

表面にコーティングされているレンズは、使っているうちに蒸発する。
というのは、Kさん。

よく、車のガラスに撥水コーティングするガラコのことをご存じだろうか。
UVカットコーティングとは、あのようなコーティング剤を塗っているだけの
ものもあるそうだ。

使っているうちに蒸発する。というのもうなづける。

Kさんの奥さまは、オークリーのサングラスがよく似合っていた。
山用に使われるそうだ。

ぼくが、モンスタードックというモデルの少々"いかつい"サングラスをかけてみると
Kさんから、こういゆう人、新宿でみかけますね。という感想をいただいた。

Kさんは、弊店に設置していただいているオークリーの
ショーウインドのサングラスを機能的にレイアウトしてくださった。

テーマ別に並べ替えられたオークリーのサングラスは
かっこよく、きれいに整列された。さすがプロである。


ぼくが愛用しているジュリエット(オークリーサングラス)は、ここに配属されました。





5月26日 ()
娘の歩海(あゆみ)は、生後8カ月を少しすぎた。

いたって健康に育っている。

今日は、ユカが出勤し、ホームページの制作作業をすすめている。

その間、ぼくは、歩海を背負って、入荷した商品を段ボールから
お店に運び、棚に並べていく。

背中の歩海は、手を伸ばし、触れる物はすべて触ろうとする。

今は、何にでも興味を示し、手渡すと、そのまま口に持っていき
ひとまず、なめまわす。



ドイツのLOWA社から、20年以上継続しているモデルである
トレッカーとレディスモデルであるレディースポーツがWXLモデルで
入荷した。

さっそく、UK8に足を通して、靴紐を締めあげてみる。

トレッカーの歴史でもある内張りのレザーは健在である。
内張のカーフレザーがソフトに足に吸いつくような感じでフィット感も抜群だ。

WXL木型で、日本人の足型にフィットするようにモデルチェンジされた。

ぼくの足にもぴったりなので、TAHOE同様に、ぴったりフィット保証の対象として
BC穂高で販売していく。

現在、主流の内張りゴアテックス(ナイロン製)よりはるかに
カーフライナーのフィット感が気持ちいい。

アッパーに防水加工を施した2.4mmのヌバックレザーを使用している。
LOWAの靴は、どのモデルを見ても、美しい仕上がりだから、見ているだけで
気持ちがいい。

今日は、同じく内張りがカーフのローカットモデル最高傑作であるPINTも入荷した。


LOWA トレッカー WXL(内張レザー)





5月25日 ()
この写真の薄い板は、何だか、わかるだろうか?

これが、BC穂高の登山靴のぴったりフィットの秘密なのです。







欧米人の足型が縦と横の比率が10:3に対し
日本人の足型は、10:4の足型の持ち主が6割以上を締めると言われています。
しかも、欧米の人々より、甲が高く、かかとからつま先にかけてのカーブが緩いのが特徴です。

登山靴のほとんどが、ドイツ、イタリアなどのヨーロッパ各国で製造されています。

欧米人のために作られた足型の登山靴が、日本に輸入され販売されているのです。

ぼくは、今まで、1000人以上のお客さまに、登山靴の販売をさせていただきました。

約10年前、ぼくが登山ショップで働きはじめたころは、登山靴のフィッティングという
言葉も聞いたことがなく、先輩に教えられたとおり、かかとに指1本なんて、てきとう
な接客をしていました。

ぼくが、真剣に登山靴のフィッティングを学びだしたのは
ある出来事がきっかけになったからでした。

登山ショップに働きはじめたころ、今から10年ほど前の話になります。

ぼくが販売した登山靴が足に合わなく、辛い山登りをされ、山登りが
楽しいものではなくなってしまったお客さまを目の前にして
どうすることもできなかった苦い経験からの出発でした。

そのころは、山の店に勤めていました。そのお店では、当然のことながら
ご使用になられた靴は、返品の受け付けができませんでした。

それは、普通一般的なことで、セール品のアフターサービスはしません。
というのも、よく耳にします。

登山靴を購入し、山で足が痛く辛い経験をし、お店は解決してくれない。
靴選びに失敗してしまうと、損をするのは、いつもお客さまでした。

そのお客さまに申し訳ない気持と「一流の山の店は、これではいけない。」という思いから
登山靴のフィッティングを徹底的に研究するようになりました。

まず、自分で、いろいろなメーカーの登山靴を履いて歩くことからはじめました。

展示会でも、新しく入荷した登山靴も必ず足を入れます。お店の暇をみては
何度も、何度も商品の登山靴を試し履きをし、自分にフィッティングしました。

いまでも、履き心地を確かめるため、ときどき登山靴を履いて
一日仕事をしたりもしています。

そうすると、靴によってコンセプトのちがいや、形が全く異なることがわかります。

そして、その靴の内部構造にも興味をもちはじめました。

登山靴の特徴を調べたり、人の足型、日本人の足型のちがいにも興味を持ちました。

そして、自分の足型にぴったりの登山靴を探しました。

そのころ、LOWA社の登山靴は、細い木型の商品しかなく、ほとんどの人の足にぴったり
フィットしませんでした。

シリオ社は、3Eから3E+の登山靴に移行したばかりで、3Eの製造を止め、3E+のみ
製造するようになり、5割の人に合わなくなりました。

シリオ社の営業の方が訪問されると、3Eの復活を要望し続けました。

ちょうど、そのころ、LOWA社がWXL木型を採用した登山靴の製造がはじまり
ぼくがこよなく愛するLOWAサレックWXLモデルが入荷しました。

そして、翌年、シリオ社が、3E+に加え、3Eの再生産がはじまりました。

入社3年目にして、ぼくのぴったりフィット登山靴フィッティングの土台ができたのです。

それからは、フィッテングに磨きがかかりました。

年間200足以上のお客さまに登山靴のフィッテングをさせていただき
今でも、新たな発見や、フィッティング方法に微妙な修正を加えたりしています。

次には、登山靴の履き心地を調整するいい方法がないか、模索し始めたのです。

そのころから、革の登山靴をご購入いただいたお客さまに
いちど履いて後日お持ちいただき、登山靴のお手入れ方法の実演講習も
ぼくの独断ではじめました。

それは、靴のお手入れをご理解いただけることと、実際に山を歩かれて
その登山靴の履き心地が生の声で、お聞きできることが重要な目的なのです。

そのときに、「いや、ちょっと・・・」ということをお聞きすると
すぐに、改善する方法を考えることができます。
その場で再び、フィッテングをし直し、無償で調整ができるのです。

ほとんどの場合は、これで、ベストフィットします。

それらのことは、今も毎日継続しています。今後も永久に続けていくでしょう。

お手入れ講習用のクリームは、当時実費で購入したり、クリームメーカーさんに
ご提供いただいたりしていました。

そうした中で、コロニル秘伝のワックスに出会ったのです。

話をもどして、登山靴の履き心地を調整するためのインソールもいろいろ試しました。

写真の2枚の板は、硬いフエルト厚さ3.5mm(ベージュ)と、樹脂2.5mm(白)の
板状のスペーサーとよばれるインソールです。

なんの変哲もないこの2種類の厚さの板が、登山靴のフィット感を調整してくれます。

単純に、厚さが2.5mmの板を入れると、靴のサイズが2.5mm小さくなります。
いま、靴のサイズが5mm間隔ですが、このスペーサーにより、2.5mm間隔の
フィッティングが可能になるわけです。

そして、3.5mmを入れることで、1サイズ大きい登山靴をぴったりフィットさせることも
可能です。

登山靴は、シリオ社の3E、3E+、LOWA社のWXL木型、ノーマル木型にこのスペーサー
を使うことにより、弊店では、98%の日本人のお客さまに対応することが可能になりました。

でも2%ほどの方は、外反母趾が原因だったり、骨が変形していたりして、どんな登山靴でも
足が痛くなってしまう可能性が多い方です。

履き心地をベストな状態にするために登山靴の履き方も重要です。

登山靴での歩き方もマスターしていただく必要があります。

これらのすべてがマッチしたときに
快適な履き心地の登山靴で、一歩一歩を楽しく、気持よく歩くことができるようになるのです。


ぴったりフィット登山靴をご購入されたお客さまには、1年間のぴたりフィット保証・返品保証
お付けしています。快適な履き心地をお約束するものです。

靴ずれなど不具合があっても、無償で調整し履き心地を改善します。もし万が一、履き心地が悪く
改善できなくても、返品保証で、お客さまが損をすることは一切ありません。



丁寧に作られたシリオ登山靴の内部構造がわかる、カットした登山靴を展示しています。
メーカーさんが新品の商品からカットして提供してくれました。






5月24日 ()
登山靴のフィッテングのためご来店されたお客さまに
いつものように、登山靴の種類、特徴などをご説明し

いつものように、お客さまの足を見せていただき、サイズを
計測させていただいた。

ソックスを履いた時の足の実測は、22.8cm。

横幅は、少々広めで、シリオの3E+は確実である。

まずは、シリオのヌバックレザーモデルの23.0cmで
試し履きしていただき、つづいて23.5cmをお試しいただいた。

お客さまは、厳冬期以外の雪山にもご使用されるということなので
2.5mmのスペーサーを入れて、23.5cmでベストフィットした。

お会計のとき、お客さまのぴったりフィット保証書にお名前、購入日、モデル、サイズ
を記入し、1年間のぴったりフィット保証内容をご説明した。

快適でなければ、お持ちください。調整しても快適な登山靴にならなければ
ご使用された登山靴でも、返金または返品交換させていただく旨をお伝えした。

そして、一度履いていただき、そのまま登山靴をご持参いただければ
登山靴のかんたんお手入れ講習を実施します。

ということを、お伝えして、お客さまは笑顔でお帰りになられた。


娘の歩海ちゃん(0歳)が、だいぶ表情豊かになってきた。

まだ、ハイハイをうまくできないけど
クルクル寝がえりで、移動するのはうまい。

触るものも、最近は、選り好みをしているようだ。

茜空も歩海も、わが子は、すばらしい。









5月23日 ()
朝から大雨と呼ぶにふさわしい土砂降り。

今日は、山に行きそびれたお客さまがご来店される。

それにしても、静かな日曜日。

新入荷ブログの更新作業がかなりおもしろい。
5月22日 ()
昨年の夏、

北穂高岳から、奥穂高岳へ縦走している途中に10年以上もの期間
山を登るときに履いていた登山靴底のソールがパックリと、剥がれてしまった。

しかたなく、持っていたテーピングテープをぐるぐる巻きに応急処置をして 涸沢まで下山する。

すれ違う人々の中には、シマウマみたいな靴があるのね。

と、励ましてくれた。

それも、途中で取れてしまい、とうとう、白いプラスチックがむき出しになり
そのまま、パカパカと馬の蹄のような音を鳴らしながら歩いた。

それでも、何とか上高地へ無事に下山されたという、お客さまが来店された。

登山靴を新調されるためである。


予期せぬハプニングは、いつ、だれのもとに訪れるか、わからない。

その状況から、無事に脱出し、後に笑い話ができることが、大冒険なのだろう。





5月21日 ()
足の小指に、大きなタコができて
山を歩くと、下りで小指が痛くなる
男性のお客さまがご相談に来られた。

そのお客さまは、以前弊店でシリオの登山靴を
購入されたが、購入された時から、インソールを抜いて
履いていたという。

インソールを抜いたせいか?どうだかわからないが
とにかく、タコを取らないことには、なんともできない。

弊店から、初の整形外科行きのお客さまとなりそうだ。





5月20日 ()
BC社のホームページのリニューアルを担当しているユカが
最近、お店に出勤して、ノートパソコンでサイトの制作作業を
すすめている。

お姉ちゃんの茜空(あかね)は、幼稚園に通い、歩海(あゆみ)は
ママといっしょに出勤する。

ぼくがお店にいる時はいいけど、たまたま外出しているときに
お客さまが来店されると、赤ちゃんを背負ったお姉さんが店員さん
なんて、おかしいらしく、みなさん驚かれるようだ。

ぼくが、おんぶ紐で歩海を背負って、お客さまの対応をしていると
お客さまの笑顔が絶えない。


グラナイトギアのiPhone用リュックサックホルダーが入荷した。

ぼくにぴったりの商品である。
これがあれば、いちいちズボンのポケットからiPhoneを取り出す必要もない。

音楽を聞きながら、手ぶらで、GPSも使える。
山でiPhoneを使うことを考えているのは、ぼくだけではないようだ。

前に、PIEKSの編集部のMさんから、電話で

「太田さんが今、注目している山道具は?」

と取材を受けた時に

ぼくは、まよわず

「iPhoneです。」

と、答えたら、それがPIEKSに掲載された。

いま、ぼくのiPhoneには、GPS、高度計、コンパス、傾斜計
ウェザーニュースなど、山で使えるアプリが目白押しである。

普通にインターネットの観覧も、お買いものも、ホテルの予約まで
できるのだ。






5月19日 ()
ご結婚されるお2人は、幸せいっぱいのカップルさん。

BC穂高で、引出物をご準備いただいた。

山に登られるお2人は、引出物も山の道具。

プラのカラフルなボトルに、飴やチョコなどを入れて
結婚式のテーブルに並べられるようだ。

BC穂高がオープンしてこれで3組目である。

ぼくが幸せなら、みなさんも幸せになれるだろう。





5月18日 ()
本当は、今日が定休日だけど、ご予約のお客さまが ご来店されることになったため
今日は、普通に朝から営業した。

すると、知ってか?知らずか?

お客さまが次々にご来店される。

5月からは、定休日を無くそうか?

しばらく、火曜日も営業して、様子をみよう。


BOSEMANさんに影響され
凍結状態だったBC穂高のブログも
まじめに、更新することを決意した。

この日記も、毎日更新(予定)ブログもチェックしてくださいませ。





5月17日 ()
ORというアメリカのブランドは、知る人、知らない人が
両極端なブランドのひとつ。

最近では、シアトルソンブレロというゴアのハットが
主力商品で、BC穂高にも各カラーを展示販売している。

今朝は、これから燕岳に登られるお客さまが、お店に立ち寄られ、
そのシアトルソンブレロのフォレストカラーのLサイズを購入され
そのままかぶって、登山口に向かわれた。

そのORを輸入販売されている代理店の社長さんが先日来店された。

その社長さんは、ぼくと同じ年で、気が合うので、あだ名で島ちゃん
と、呼ばせてもらっている。

島ちゃんもぼくも、年のころは、40才を少し過ぎた中年である。

ぼくたちは、もう、若い世代の好みがわからない年代に突入してしまっている。

「島ちゃん、こんど営業に来るときは、若い女性スタッフを連れてきてよ。」

なにも、いやらしい意味で言ったわけではない。

いろいろ、意見を聞きたいだけなのだ。

そういえば、島ちゃんが教えてくれたことで、大変興味深いことがあった。

下北沢にあるBOSEMANというお店は、アウトドアグッズ好きの人々のハートをがっちり
つかむお店で、ブログには、物欲の神様をくすぐるアイテムが、次々と紹介される。

お店のブログがなかなかのもので、そのブログに以前ORのハットを紹介されたそうだ。

すると、あちこちのお店から注文が殺到し、爆発的に売れたという。

あちこちのお店の店員さんがチェックしているのか?それとも、ユーザーさんから取り寄せの
注文が急増するのか?

なぞは深まるばかりだが・・・

これは、ないしょだけど・・・

これから、ぼくもチェックしよっと。





5月16日 ()
今年の2月にLOWA(ローバー)の冬登山靴をご購入いただいた
お客さまが、燕岳に登ってきた帰りに、ご来店された。

先日、ある山を登頂して、下山するときに、山頂直下の雪渓の斜面で足を踏み外し
4mほどスリップして、たまたま生えていた木にぶつかって停止した。

雪渓の急斜面を安易に踏んだところ、アイゼンを装着していたが
足元がつるんと滑り、バランスを失われたそうである。

あやうく滑落する一歩手前で助かったという体験談を聞かせていただいた。

そのときに、ストックを1本なくされたため、BDストックを新調された。


北アルプスには、残雪がたくさん残っています。
とくに、バランスを崩し、スリップすると、それが滑落につながるような急斜面を
歩くときは、ここ一番の集中力を思い出し、気を抜かず、一歩ずつ丁寧に歩いてくだい。






5月15日 ()
あさ6時のバスで、お客さまお2人が、燕岳に登られるため
JR穂高駅前のバス停から、中房登山口行きバスに乗って
出発された。

お2人は、あさ、お店外の歩道のお掃除をしているぼくの横を

「いってきま~す。」

と、元気に大型リュックを背負って、通り過ぎて行った。

今日は、一日中、北アルプスの山並みがくっきり、見えていた。

八方池からお帰りの女性お2人が来店された。

東京から来られたお2人は、弊店のホームページをご覧になられ
ご来店されたことを教えてくれた。

ご来店いただいたお礼に、マシーンの珈琲をごちそうした。

そういえば、最近、遠方からご来店いただけるお客さまが
多くなったように感じる。

関東地方、関西地方、岡山、広島、長崎、富山、新潟、静岡のお客さま。

BC穂高は、北アルプスの玄関口である安曇野穂高の駅前にあるため
ご来店いただけるお客さまも全国から集まって来られるようだ。

ぼくは、遠方のお客さまから、いろいろお話しをお聞きすることが
けっこう好きで、話し始めると、いろいろ、ご質問をしてしまう。

ぼくも、同じように、お客さまから、ご質問攻めにも合うため、お互いさまである。
遠方から来られたお客さまとお知り合いになれることは、ぼくの仕事の特権である。





5月14日 ()
娘の茜空(あかね)が通う幼稚園は、シュタイナーであったり、野外保育を
取り入れた幼稚園である。

園舎は、古い民家を使っているが、その民家が、押の山のてっぺん近くにあり
冬はほとんどの毎日、子供たちと先生が里から山を登り園舎まで通う。

園舎に到着すると、ほぼお昼の時間になっていて、焚火を囲んで
お弁当を食べると、また、里に向かって歩きはじめる。

登った道を、また降りていく。子供たちは、少し歩いて、何かを見つけては
遊ぶ、そして、また歩いては、遊ぶ。木の枝やキノコ、竹の棒など、山には遊び道具が
たくさん落ちている。途中に、木の枝をあつめて作ったお家がある。

その幼稚園では、子供たちに、山ではぐれてしまい、みんなが見えなくなったらどうするか?
ということも、教えられている。

先日、TDRに行ったとき、茜空だけ一人、ぼくはわざとはぐれてみた。

親として、茜空が、どういう行動をとるのか、確認しておきたかったからである。

はぐれたときに、お母さんのユカから教えてもらった。

くじら雲に通う子供たちは、大人とはぐれてしまったら、探しに行かないで、その場で
停止し、大人を待つように教えられているのだという。

茜空は、それをしっかり守っていた。

しかも、冷静に沿道パフォーマンスなどを見たり
近くのデコレーションを見たりして、ぼくたちが見つかるまでその場にいた。


今日、ご来店いただいた女性のお客さまは、登山を始めるために、登山靴と雨具を
購入された。

あすは、山のベテランのKさんたちに、鍬ノ峰(くわのみね)につれて行ってもらうそうだ。

登山靴のお話し、雨具のお話し、歩き方の基本、そして、山のベテランのハイペースに
けして、ついていかない事。

そして、はぐれてしまったり、道に迷ってしまったら、その場で、じっと待つか
歩くなら、必ず高いほうに登る。
ように伝えた。

山で、はぐれたり、道に迷ったときは、不安と恐怖から、冷静さを失ってしまう場合がある。

パニック状態に陥ると、人は、本能で人を探し、山を下ってしまうのだ。

道に迷い、谷へ谷へさまよいながら、下ってしまうと、谷は、滝になり、崖っぷちに立たされる
ことになる。

ぎゃくに、高いほうへ登って、登って、登って行くと、必ず、一番高い所にでる。
日本の山のほとんどは、山頂に道があり、また登山道に戻ることができる可能性が高くなるのだ。

ぼくたち大人も、大切なことを、幼稚園児に教わることも意外に多い。



今日も、あさ5時ごろから、環境整備に夢中になってしまった。

今日のテーマは、一時避難していた珈琲マシーンの移動と、登山靴ぴったりフィットコーナーに什器の追加。
トレッキングポールコーナーの少々拡大など、盛りだくさんの内容だった。

模様替え作業中、什器小物のアイデアが浮かんだため、設計図を描いて、鉄工所さんへサンプルの制作を依頼した。






5月13日 ()
今日も、早起きし、あさ4時から環境整備のお仕事をはじめた。

8時ごろには、お店の外の東側のスペースは、見違えるほど
きれいに片付いた。

8時過ぎにご来店されたお客さまは、これからお子さまの遠足で
お父さんも付き添いで歩かれるために、トレッキングブーツを購入された。

お選びになられたブーツは、メレルのスイッチバックという革のブーツである。

モンチュラの薄いフリースも購入され、購入された商品をすべて身につけて
幼稚園の遠足に向かわれた。

お昼ごろ、モンチュラの輸入元の担当のTさんから夕方お店に来られるという
ご連絡をいただいた。

Tさんが4時ごろお店に来店されると、たまたま、モンチュラの商品が
Tさんの目の前で、よく売れていく。

ぼくが、お客さまに商品説明などしている間、Tさんは、店内の隅で、ぼくや
お客さまの会話に耳を傾けているのがよくわかる。

お客さまは、そんなことは知らないため、わざとではない。

しかし、お客さまから、モンチュラの商品をお選びになられるのを
間近で見ていて、お店の隅で、耳をすませたTさんは、だんだんにやけてきた。

お店が一段落し、弊店時間を1時間ほど過ぎたころ、モンチュラのTさんと入れちがいに
グレゴリーの大型バックパックのフィッテングのために女性のお客さまが来店された。

その女性は、小柄で若い幼稚園の先生である。今年から、大町山岳総合センターが運営する
山岳リーダー研修会に1年間参加され、明日から3日間、2回目の研修がはじまる。

取り寄せさせていただいたグレゴリーは、レディスモデルのDEVA85リッターである。

フレームサイズは、レディスXSでぴったりフィットなのだから、小柄な女性である。

果たしてこの85リットルのパックを満タンで持ち上がるのだろうか?

少し心配はしたものの、ご本人は、へっちゃらなようである。

バックパックのフィッテング中、終始にこやかにぼくの説明に耳を傾けられていた。

山を歩く、往生際の悪い世の男性諸君、まけてちゃいかんよ。という気持ちにさせられた。

バックパックといっしょに、注文したレインカバーは、なんと、100リッターに対応した
大きさのレインカバーである。

ぼくは、100リッターのレインカバーを生まれてはじめて、取り扱いさせていただいたような
気がする。





5月12日 ()
環境整備という言葉は、北アルプス燕岳の山小屋
燕山荘(エンザンソウ)さんが企業文化として使われている言葉である。

山小屋の補修、登山道の整備、事務関連の整理整頓、など
問題のある個所を整備して、環境を整えることを意味する。

BC社でも、オープンしてから3年間、常に環境整備を行ってきた。

今年の4月に、ようやく待望の倉庫をお借りすることができたため
環境整備は、1ヶ月の間に急ピッチにすすんだ。

店内がすっきりした次は、お店の外側である。

今年の冬(1月20日)に、燕山荘の赤沼オーナーが来店されたとき
こんなご指摘をいただいた。

「おおたくん、外、あれでは、いけないね。」

「清掃が乱れているところには、人は来ない。」

いつも、整理整頓され、清潔にしていると、笑顔が集まってくる。」

「汚れていると、人から非難される。」

「いつも清潔にしていると、人は助けてくれる。」

「非難されるか、かわいがってもらうか、選ぶのは、太田くんだ。」


というご指摘をいただいた。

まず、お店の前の歩道の植え込みスペースをきれいにするために
盛り上がってだらしなかった植え込みの土を、2トントラック1杯分ほど
上面を取って、かたづけた。

今日は、お店の東側の外壁の脇に、捨ててあった材木を処分した。

この材木は、弊店がこのビルをお借りする前から放置されていた。

雨ざらしで、約10年ほど放置されていた材木は、完全に腐食し
シロアリや虫たちのオアシスになっていた。

虫も腐敗して溶けた材木も気持ち悪かった。

明日も、ひきつづき、お店の東壁外側の環境整備をする予定だ。

今日、気が付いたが、歩道にある商店街の街灯がひどく汚れている。

これを掃除するには、クレーンが必要だ。





5月10日 ()
お店が開店してまもなく、ご夫婦が来店された。

お2人は、夜中の3時ごろ、自宅を出発された。
8時ごろ予定どおり、三股の登山口に到着された。

登山口で、旦那さんが登山靴を忘れてきたことに気が付いた・・・

登山口から下りて、穂高駅前の登山ショップに到着すると
まだ、お店は開店前だった。

お店の看板には、10時オープンと書いてある。

開店時間まで、時間をつぶし、10時前に再び穂高駅前の登山ショップ
に行くと、お店が開店していた。

お店に入ると、店員の男性が、カウンターの中で、何やら伝票をひっくり返している。

すみませーん。と店員さんを呼び、登山靴を忘れてきたことを説明すると
その店員さんは、にやけた笑顔で近寄ってきた。 店員さんにシリオの冬登山靴を、フィッティングしてもらい
持ってきたワンタッチアイゼンのマッチングをみてもらい
しかたがないので購入した。

帰り際に

「登山靴を忘れてくる人なんて、いないですよね?」

と店員さんにひとこと聞くと

「いや、しょっちゅうですよ。アイゼン、ピッケル、登山靴、雨具・・・」

「さすがに、リュックを忘れてくる人はいないなぁ。」
と、店員さんが言った。

お店の時計を見ると、10時10分だった。

店員さんから、山小屋に到着する時間が遅くなるときは、まえもって
連絡しておけば、たとえ、到着が夕方の6時になっても、叱られないよ。

と、アドバイスをもらった・・・・・・


お2人は、無事に蝶ヶ岳ヒュッテに到着されただろうか?





5月8日 ()
登山靴のフィッティングのお客さまが朝からご来店。

ぼくは、いつものように、お客さまの目的の登山スタイルにあわせて
登山靴のタイプをご提案できるように、登りたい山域や、季節など
いくつかご質問させていただきながら、各種登山靴のご説明をさせていただく。

一通りご説明をさせていただいたあと、さて、履いてみましょうか。

お客さまの足をみせていただき、登山用のソックスに履き替え、サイズを計測する。

足の長さはもちろんのこと、足の形や横幅も確認する。

客さまの足を見ていると、ぴったりフィットなモデルやサイズが頭に浮かんでくる。

でも、実際に試し履きしてみないと、ほんとうにぴったりフィットな登山靴は見つからない。

お客さまが試し履きをされるとき、必ず最初に、ぼくが靴紐を締めあげていく。
ここが肝心で、ほんとうに靴紐を締めあげてみないと、ほんとうに足に合っているのか
わからないのだ。

登山靴に足を通していただき、お客さま足を持ち上げて、かかとをトントンと地面をたたく。

そして、つま先を上げたままにして、靴紐の締めあげることの大切さをご説明しながら

えいやー。と、気合いを入れて、靴紐を締めあげていく。

試し履きなので、何回もサイズを変えたり、モデルを変えるたびに
力いっぱい、靴紐を締めあげる。

今日は、4人目のお客さまのフィッティングのときに、握力が低下しているのを
感じた。

それでも、フィッティングのとき、とくに、山デビューのお客さまのときは
靴紐の締め具合を覚えていただかないと、せっかくの初登山が、足の痛みに耐える
試練の辛い登山になってしまう。

えいやー。と、今日も何十回となく、お客さまの靴紐を締めあげた。





5月7日 ()
ぼくのドコモ携帯が、3日前に突然、通信ができなくなった。

その日のBC穂高が閉店したあとに、豊科にあるドコモショップに
相談に行った。

ぼくの頭の中は、故障。機種交換。スマートフォン。どこどこ?

と半分浮かれ気分で、ドコモショップに到着。

中に入ると、いきなり、ドコモショップのお姉さんが、話しかけてきた。

き、き、き、きしゅ・・・。

と、口から出かかったが、携帯電話が故障したことを伝えた。

そして、ドコモレディのペースで、話がすすみ、保険を利用して
携帯電話を、新品交換してもらうことになった。





5月6日 ()
みなさんは、「山崎 美緒」さんというサイクリストを
ご存じだろうか?

彼女は、自転車で世界を旅する冒険家で、中東、アジア、カリブ、アフリカなど
単独で16カ国、1万5千キロ以上を自転車で旅した女性である。

その彼女が、6月2日(水)午後6時から、穂高の新図書館「みらい」で
アフリカ縦断5000kmを成し遂げた勇気と元気と感動を話してくれるそうだ。

日本人として初めて、アフリカ縦断を成し遂げた彼女。

日本の歴史が2000年だとしても、どれだけの日本人が生まれ育ったのだろうか?


少子化と言われる現代でも、1日約3千人の赤ちゃんが、毎日毎日産まれているそうだ。

単純に計算しても、過去2千年で、数十億人の日本人である。

それだけの人々の中で、アフリカ大陸を、単独で、しかも自転車を使い
縦断する旅のことを考え、計画し、行動し、成し遂げたのは、たった一人。

彼女だけだった。

彼女には、我々が想像もつかないほどの、勇気と希望と元気を持っているのだろう。

できれば、わが子たちにも彼女のお話しを聞かせたいと思う。

たとえ、茜空や歩海には、内容がわからなくても、彼女の表情を見るだけで
何か、感じてくれるだろう。

ぼくは、1000人の中の999人の感性には、あまり興味がない。

1000人中、一人しかいない感性の持ち主には、興味がある。

彼女は、並はずれた勇気と希望と行動力を持っている
数十億人の中の一人である。

もう一度

6月2日(水)午後6時受付 会場 みらい
視聴は無料、会場定員 160名

この日記を楽しく(?)読んでいただいているあなたへ

この日は是非、彼女の話を聞きいてください。

きっとあなたは、彼女から元気をもらい、感性を磨かれ、

勇気と希望の存在を、強く感じる一日になるだろう。


pdf パンフレット




5月5日 ()
LOWAのTAHOE(タホー)という登山靴は、ぼくがこよなく愛する
ヌバックレザーのトレッキングブーツである。

内張りにゴアテックスブーティーを貼り、防水性と通気性を備えている。

TAHOEの前身であるサレックというモデルも基本仕様は
いまのTAHOEと同じで、後期モデルからWXL木型が採用された。

ぼくは、LOWAサレックのWXLモデルを履きはじめたころは、
まだ、カモシカスポーツ・山の店 穂高店の店長だった。

サレックは、オイルレザーで仕上げられ、ぼくの足にもぴったりフィットした。

ぼくは、お客さまの登山靴フィッティングには、お客さまの足型を確認し
まずは、LOWAからサイズフィッティングさせていただき、横幅がWXL木型でも
マッチしないお客さまには、つぎにシリオの3Eから3E+を徐々にフィッティング
させていただいていた。

ぼくも、サレックを何度かソールの張り替えをして履き繋いできたが、ガイドをはじめ
サレックは、買い替え時期が来た。

2足目を履き替えるとき、タカダ貿易さんにお願いし、ぼくのTAHOEを取り寄せた。

昨日の夕方にフィッティングさせていただいたお客さまは、TAHOEのUK8.5で
ぴったりフィットだった。

お客さまは、弊店のHPをご覧になられていて、ご来店前から、登山靴のフィッティングは
LOWAのTAHOEからと、決められていたご様子だった。

今朝、登山靴のフィッティングにご来店の女性は、かなり履きくたびれたサレックを
ご持参され、ぼくに見せた。

オイルレザーの懐かしい香りがした。

その女性のお客さまも、TAHOEをフィッテングされることをお決めになられていた。

サレックのサイズ表示タグは、完全に消滅していたため、ソール長を測り
UK5で、ベストフィッテングだった。

ぼくは、お客さまがご持参されたサレックの様子を見て、とても愛されていたことが
伝わってきたため、多くしゃべらず、TAHOEのUK5サイズを
倉庫から持ってきて、お客さまのインソールを入れ替え、ためし履きしていただいた。

お客さまは、まだ、サレックも履かれるため、お持ち帰りになられ
新品のTAHOEを履いたまま、お会計を済まされ、そのまま履いて
大町の鍬ノ峰登山口に向かわれた。

ぼくのTAHOEも7年履いて、ソールは4回貼り替えた。
まだ履けるけど、そろそろ買い替え時期も近い・・・
そろそろ、新しいTAHOEが、ぼくに歩みより、語りかけて、きそうな予感がする。



LOWA TAHOE GTX WXL (ぴったりフィット保証対象)
5月2日 ()~4日 ()
●雪山安全講習3・GW涸沢+バカンス
講師/太田 参加/6名


岳人のオアシス、GWの涸沢へ、
今年もやって来た。

雪山講習3と題して、昨年12月から
雪山安全講習会シリーズの最終講習となる
涸沢雪上訓練は、好天に恵まれ、全員
帰りには真っ赤に日焼けしていた。



今回初参加の3人。雪山講習1と3に参加されたKさん。
すべてに参加された皆勤のお2人。

それぞれ、みなさん、雪山のレベルアップを目指してのご参加のため
上高地で集合しているときから、わくわくされているご様子が伝わってきた。

ぼくも、お仕事を忘れて、GWの涸沢バカンスにむけて、わくわくしていた。

初日は、予定通りのタイムで、涸沢ヒュッテに到着。

涸沢ヒュッテでは、夏の診療所となる「あかね」という名のお部屋。
ぼくの愛する娘と同じ名前に、なんだかニヤけながら山小屋にスタッフに案内され
お部屋に入った。今日と明日の2日間、ぼくたちで貸し切りのようだ。

何はさておき、さっそく、売店に走り、生ビールで乾杯。

2日目、朝食後、ザイテングラードの手前の斜面で、ピッケルを使った
雪山安全講習を行い、滑落停止などを練習をした。

基本的には、滑落停止の練習より、バランスを崩さないためのピッケルの
使い方、斜面で休憩時のビーレー、雪崩を回避するためのルートファインディング
などが中心である。

よく、滑落停止だけやっている、講習風景を見かける。
それよりなにより、滑落しない訓練のほうが大切なのだ。

10時ごろ講習を実践に移し、今回のメインの目的である
涸沢岳3110mの山頂にむけて出発した。

13時14分、涸沢岳3110m登頂に成功。
北穂、槍、奥穂、常念山脈など、絶景を堪能した。

山頂は、ほどよい風が冷たく、少し寒かった。

穂高の稜線は、雪が多く、ブルーアイスが目立った。

岐阜県警山岳救助隊の久田さんのお話では、昨日は、奥穂に
一人も登らなかったそうだ。

GWにしては、大変珍しい現象で、コルからのいきなり岩と氷の
ミックスアイスクライミングに、多くの登山者の想定外の状況だったのか?

クライミングも、クライムダウン(懸垂下降)も、ザイルワークが必要な
状況だった。

危険を冒して行く必要はない。無謀な登山者が一人もいなかったというのは
すばらしい。最後の頂上は、登っても、登らなくても、どちらも登山である。

涸沢岳の山頂から、穂高岳山荘が建つ、白出のコルまでの
下りで、少しビビっている講習生もいたけど、落ち着いて無事下山。

下山後、全員で穂高岳山荘になだれ込み、山ではお得意のカレーライスでおなかを満腹にした。
そして、涸沢ヒュッテの生ビールにつづき、夕食のときは、苦しかった。

お天気も良く、ロケーションも最高で、大満喫の一日だった。

3日目、朝食後、はやめに下山をはじめる。上高地には午後1時すぎに到着。
予定通り、まだ、上高地バスターミナルは、お帰りラッシュ前の楽勝だった。

タクシーを沢渡まで乗り、スクールバスに乗り換えて、穂高に戻って来た。

みなさん、ご満喫のご様子で、雪山安全講習3にて、今期終了。

参加者のみなさん、すっかり、仲良くなり、メール交換など
すっかり、お友達になられたようである。

次は、夏山登山教室、夏山の安全講習が始まります。






iPhoneのGPSアプリをテスト。 今回宿泊させていただいた涸沢ヒュッテ社長の山口孝さん。


北アルプス・涸沢岳3110m山頂より。登山教室のみなさん。


涸沢岳登頂後、穂高岳山荘のおいしいカレーでランチタイム。あずき沢をお尻で滑りながら楽しく下山。


GWの涸沢カールは、山岳テントの人気コンテストのよう。山岳カメラマンのナベさんを見つけた。


涸沢ヒュッテの売店は、いつも人気。


DVDの撮影で、涸沢に下りていたカメラマンの八郎さんを見つけた。

5月1日 ()
あさ6時にご来店されたお客さまは、これから燕岳に登られるご予定で
途中で、アイゼンをお忘れになられたことに気が付かれたそうだ。

ご自宅に戻られると、クロモリのアイゼンがあるため、せっかくなので
軽量なアルミの10本爪アイゼンをご購入され、登山口に向かわれた。

出発されるとき

「こんな時間に、お店が開いているなんて、救われました。」

と、感謝のお言葉をいただいた。

お店の玄関には、ぼくの直通携帯電話の番号を看板に彫りこんでいる。

もし、営業時間外であっても、呼び出していただけるようにである。

・・・・・それを皮切りに、今日はお忘れ物のお客さまが続出した。

ピッケル、アイゼン、サングラス、ロングスパッツ、ストック・・・・

夕方には、机上講習をしながら、登山靴のフィッテングが2件続き
ぼくの記憶はなくなった。

ぼくは、明日から登山教室で、涸沢に入る予定。

2日と4日は富山さんがお留守番。

3日は、お店を休業するため忘れ物の方の対応ができません。

お気をつけて・・・